くちなし
BONGAマスターのスパイスうんちく
更新日2013.3.1a:4031 t:1 y:0
くちなし
くちなし、山梔子・さんしし(和名)
Gardenia(英名)
Gardenia jasminoides Ellis(学名)
知識
アカネ科の常緑樹
日本、中国を原産とし日本、中国、台湾などで
広く分布している。
日本では庭木や生け垣の園芸植物として
知られている。
5,6月に白い花(写真上)を咲かせ
甘い香りをあたりに漂わせる。
学名のjasminoidesが示すように花の香りはジャスミンに似ており、
花の芳香成分にはベンジルアセテート、(気になったら クリック)
メチルフェルニル・カルボニールアセテートが含まれる。
花弁にはマンニットが含まれわずかな甘味がある。
果実には芳香はほとんど含まれないが、
完熟した果実(写真下)には
黄色素のα-カロチンが含まれている。
(気になったら クリック)
これはサフランと同じ水溶性色素で、食品や
衣類などの染色に用いられている。
園芸種には果実がつかないものも多い。
栽培法はさし木が一般的で6~9月頃に行い、
冬の間乾燥を防いでおくと簡単につく。
種をまく場合は果実から種子を取り出し、
春先から秋にかけて撒いておくと1月位で発芽する。
温暖な気候と有機質土壌の湿気のある半日陰を好み、
場所によっては成長しても果実をつけない場合もある。
植えてから2年くらいで花が咲き結実するので、
秋に収穫した果実を日干しか日陰干しして使用する。
料理
きんとんの黄色に使われているのは
よく知られているが、たくあん漬け、菓子類、
麺類などの食品の着色に広く使われている。
大分県臼杵にはお米を使った黄飯という
郷土料理もある。(作り方は クリック)
中国では花は果実酒の香りづけに使われる。
くちなしの色素は水溶性なので、果実に傷を入れて水に浸すか、
熱湯で煎じて黄色の液体を作り着色する。
薬理
漢方では乾燥したくちなしの果実を山梔子(さんしし)と呼び、消炎、利尿、止血の薬として用いる。
エピソード
くちなしの名のいわれは、果実が熟した後も口が開かないという説と果実を梨(なし)に嘴状のがくを口(くち)に見立てて「くちなし」と呼ぶという説がある。