みょうが
BONGAマスターのスパイスうんちく
更新日2014.4.2a:4968 t:1 y:0
みょうが
【英名】Mioga
【和名】みょうが(茗荷)、ミョウガ
【学名】Zingiber mioga
【別名】花みょうが、みょうが竹、みょうがのこ
知識
熱帯アジアを原産とするショウガ科の多年生草本です。野菜として栽培されているのは日本だけです。
野生種はなく、海外から持ち込まれたものが栽培されたり、自生したりしています。
野菜や薬味として使用されるのは開花前の花穂で花みょうがと呼ばれるものと、みょうが竹と呼ばれる若い茎の部分です。
花みようがの旬は6月から11月まで、みょうが竹は春の食材として知られています。
日本国内での主な栽培地は花みようがは高知(ハウス栽培)、群馬、秋田(露地栽培)で、みょうが竹は宮城(軟白栽培)です。
料理
みょうがには爽やかな香味とかすかな辛味があり、生食としてさしみのつまや麺類の薬味、酢の物、汁ものの具として使われます。
また漬物や佃煮、天ぷらの他中国料理では炒め物や塩漬け、味噌漬け甘酢漬けにも利用されます。
みょうがぼち(岐阜)、みょうが饅頭(熊本)は今でも食されています。
●みょうがぼちの作り方☚クリック
●みょうが饅頭の作り方☚クリック
みょうがは一度サッとゆでてから酢につけると赤く発色し、彩りがよくなります。長くお湯にさらすと、芳香が失われるので気をつけましょう。
薬理
α-ピネンという香り成分が含まれています。この成分は大脳皮質を刺激し、気分を高揚させます。また血液の循環調整して、発汗作用や呼吸を整え食欲増進を促します。
また含まれているカリウムは、塩分の取り過ぎを調整し、血圧を下げ高血圧を予防します。
その他、生理痛や生理不順の改善や抗菌、消臭作用があります。
みょうがの紅色の成分はアントシアニンの1種でマルピジンです。
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栽培
品種には7~8月に収穫ができる早生の夏みょうがと9~10月に収穫の秋みょうががあります。
日当たりのあまり良くないやや湿った土地を好み、深さが30㎝以上の鉢やプランターでも栽培ができますが、できれば地植えが良いでしょう。
地下茎または苗を3~4月に植えつけます。
地下茎の場合は茎を3目づつ位の長さに切り分け、底石を敷いたプランターに培養土を入れ、芽のほうを上にして5㎝ほどの深さに、20~25㎝の間隔で植えます。
苗の場合は土を10㎝ほど掘って苗を入れ土をかぶせます。
本葉が7~8枚の頃と花蕾が出始める6~7月頃の2回、肥料を入れます。
乾燥に弱いので土の表面が乾いてきたら、まめに水をやります。夏は乾燥を防ぐため敷き藁などをするとよいでしょう。
7月下旬頃、株近くから蕾が膨らみ始めたら、根元から刈り取り収穫します。花が咲いてしまうと風味が落ちてしまいます。
冬に枯れた地上部を切り取り、追肥して、春先から水やりを始めると新芽がでます。
多年草なので一度植えれば数年収穫ができますが、3~4年して収穫が減少してきたら、春先に根を掘り出して、株分けして植え直すと良いでしょう。
エピソード
「みょうがを食べると物忘れがひどくなる」という俗説がありますが、学術的にも栄養学的にもそのような裏付けはなく、最近の研究ではみようがに含まれる香り成分に集中力を増す効果があることが分かってきました。
釈迦の弟子の周利槃特(シュリハンドク)は自分の名前さえ忘れてしまうため釈迦が首に名札をかけさせました。しかし名札をかけたことさえ忘れてしまい、死ぬまで名前を覚えることができませんでした。死んだ周利槃特の墓に行くと見慣れない草が生えていました。そこで釈迦は彼が自分の名を荷なって苦労したというのでその草に「名」を「荷」なうということから茗荷と名付けたと言われます。
戦国時代の武将たちは戦で命が残る「冥加」にかけて茗荷の紋を好んで使ったといわれます。「影茗荷」「鍋島茗荷」などの紋があります。