シソ
BONGAマスターのスパイスうんちく
更新日2013.02.15a:4011 t:1 y:0
シソ
【英語】Perilla
【日本】しそ、紫蘇
【学名】Perilla frutescens Britton var.acuta
知識
シソ科の一年生草本で原産地はヒマラヤ、
ビルマ、中国中南部。主な産地は日本、
中国だが温帯アジアの各地に広く分布している。
植物学的には中国産のエゴマの変種で、
日本には10世紀頃に渡来し、平安時代から
栽培されてきた。
シソの品種を大別すれば葉の色が緑色の青じそ
(写真①)と、葉の表裏が紫」色の赤じそ
(写真②)、表が緑で裏が紫の片面じそ、
葉がちりめん状のちりめんじそがある。
本来シソとは赤じそのことで、青じそはその変種で
大葉とも呼ばれる。
日本各地で自生していることからわかるように、
生命力が強く栽培は簡単である。
温暖で湿気のある土地を好み、種子は春時期に撒く。
草木灰やカリ肥料を与えるとよく育つ。
青じその爽やかな芳香の主成分は
ペリラアルデヒドで、精油の50~55%を占める。
そのほかにリネモン、ピネンなどの芳香成分を
含んでいる。
それらの成分は熱に弱く、加熱すると
香りは弱くなる。
また赤じその葉の紫色素はシアニンおよび
パラクマール酸エステルである。
料理
日本料理によく使用されている。
葉は薬味としてさしみのつまや天ぷら、佃煮、
お菓子などに。
実は穂じそ(写真③)と呼ばれ、さしみのつまや薬味のほか、
天ぷら、漬物、しそ油の原料に利用される。
梅干しは赤じそに含まれるアントシアニンが
梅に含まれるクエン酸によって分解され、
赤い着色作用を発現することによる。
青じその旬は7月から10月、赤じそは6月から8月である。
シソの葉は湿らせたキッチンペーパーに包み、
ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存するとよい。
赤じそを水から煮出しして砂糖とクエン酸を加えると、
夏バテ防止のしそジュース(写真④)ができる。
薬理
紫蘇の「蘇」はしその爽快な香りで食欲をそそらせ
人をよみがえらせるという一説もある。
葉の部分は蘇葉(ソヨウ)、または紫蘇葉(シソヨウ)と呼ばれ利尿や発汗、解熱に効能がある。
食中毒、特に魚肉類の中毒には葉または種子を少量煎じて飲むと効果がある。
しその芳香成分のペリラアルデヒドは抗菌性にすぐれ、
防腐作用が強いので醤油の防腐剤として使用される。
青じそはビタミン類、ミネラルが多く、カロテンと
カルシウムは野菜の中でも群を抜いている。
また赤じそはカロテンの量が青じそには
及ばないものの、他の栄養成分は青じそ
と同じである。
最近実から採れる油に強い抗酸化作用があることがわかった。