スパイスを使ったオリジナルスパイス、オーダーメイドスパイス、スパイスクッキングの専門店です。

ビタミンB1

ビタミンB1

A.ビタミンB1とは?

ビタミンB1 (thiamin:チアミン) は、1910年に鈴木梅太郎によって米糠から発見された水溶性のビタミンです (12) (15) 。天然にはチアミン1リン酸 (TMP) 、チアミン2リン酸 (TPPまたはTDP) 、チアミン3リン酸 (TTP) の3種類のリン酸エステルが存在します。これら3種類のビタミンB1のリン酸エステル体は、摂取するとビタミンB1となって吸収され、生体内で再びリン酸化されます。体内では主にチアミン2リン酸の形で存在し、糖質および分岐鎖アミノ酸代謝における酵素 (トランスケトラーゼ、ピルビン酸脱水素酵素、α-ケトグルタル酸脱水素酵素) の補酵素として働きます (12) (15) 。

B.ビタミンB1の供給源になる食品
食品に含まれるビタミンB1含有量は以下の通りです (5) 。(可食部100 gあたり)

https://hfnet.nih.go.jp/usr/wadai/B1-1-1.gif

https://hfnet.nih.go.jp/usr/wadai/B1-2-1.gif

C.ビタミンB1の特性 (単位・化学的安定性)
ビタミンB1は水溶性で、酸性では安定ですが、アルカリ性、熱には不安定です (12) (15) 。

D.ビタミンB1の吸収や働き
経口摂取したビタミンB1は、小腸から吸収されます。摂取したビタミンB1が低濃度の時は能動輸送によって、高濃度の時は受動拡散によって吸収されます。吸収されたビタミンB1は補酵素として利用されます。利用された後は、尿中や糞中に排泄されます (12) (16) 。

補足
ビタミンB1を分解し生理活性を消失させてしまう酵素であるチアミナーゼ (アノイリナーゼともいいます) は、貝類、わらびやぜんまいなどの山菜、鯉や鮒などの淡水魚に含まれます (3) (18) (19) 。しかし、チアミナーゼは加熱することによって活性を失います (20) 。

E.ビタミンB1不足の問題
ビタミンB1不足はどのような時に起こるか?
 食事からの摂取が不足した時や、糖質の多い食品やアルコールを多量に摂取した時など、ビタミンB1の需要が高まると不足しやすくなります (8) 。
ビタミンB1が不足するとどのような症状が起こるのか?
 糖質の代謝に関与するビタミンB1が不足すると、糖質を主なエネルギー源としている神経や脳に影響が現れます。精白米を常食している東洋人では脚気、アルコールを多飲する西洋人ではウェルニッケ脳症などが見られます (8) 。
脚気・・・
全身倦怠・体重低下・四肢の知覚障害・腱反射消失・心悸亢進・心拡大 (12)
ウェルニッケ脳症・・・
眼球運動麻痺・歩行運動失調・意識障害。ウェルニッケ脳症は慢性化するとコルサコフ症という精神病に移行します (12) 。

F.ビタミンB1過剰摂取のリスク
食事やサプリメントによる、ビタミンB1の過剰摂取についての悪影響は報告されていません。しかし、非経口的摂取により、まれに過敏症を引き起こすという報告があります (12) 。

G.ビタミンB1はどのぐらい摂取すればよいか?
各年齢別のビタミンB1の食事摂取基準 (日本人の食事摂取基準2010年版) は以下の通りです (1) 。

https://hfnet.nih.go.jp/usr/wadai/vitaminB1-4.gif
H.ビタミンB1摂取状況
平成21年の国民健康・栄養調査では、通常の食品から男性で平均0.90 mg/日、女性で平均0.78 mg/日摂取しています。また、強化食品・補助食品から男性で平均0.66 mg/日、女性で平均0.77 mg/日摂取しています (14) 。

I.栄養機能食品としての関連情報
ビタミンB1は、栄養機能食品として表示許可されています。
上限は25 mg、下限0.3 mgです。
・ビタミンB1の栄養機能表示
「ビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。」
・注意喚起
「本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。」

栄養機能食品の表示に関する基準の詳細については、こちらの資料を参照してください。→資料1、資料2

J.その他の情報について
ビタミンB1やビタミンB1誘導体は以下の症状が見られるときに治療薬として用いられます (13) 。
1.ビタミンB1欠乏症の予防及び治療
2.ビタミンB1の需要が増大し食事からの摂取が不十分な際の補給 (消耗性疾患,甲状腺機能亢進症,妊産婦,授乳婦,はげしい肉体労働時など)
3.ウェルニッケ脳症
4.脚気衝心
5.次の疾患のうちビタミンB1の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合:神経痛・筋肉痛・関節痛・末梢神経炎・末梢神経麻痺・心筋代謝障害

(ビタミンB1とビタミンB1誘導体の医薬品としての成分名)
塩酸チアミン・チアミンジスルフィドなど。これらの治療薬に対して、過敏症の既往歴がある患者でショック・発疹等が見られるときがあります。

参照:「話題の食品成分の科学情報」

powered by Quick Homepage Maker 4.53
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional