十薬の花
十薬の花
父が他界して2年が過ぎました。
家業が魚屋でしたので、戦後の食糧難の時も食べ物の苦労もなく、
生涯の仕事とした家電店も順調で、
夫婦仲もよく、
僕みたいなのがいたので、子供には恵まれたとはいえないが。。。
そんな父の最後の試練だったのが、「胃ろう」
食事がうまく摂れなくなった88歳の父は
病気が治るまでということで胃に穴を開け
チューブで栄養を送り込むという方法をとることに・・・
しかし亡くなるまで父はチューブを外すこともなく、
口から食事を摂ることもなく、
最後には毛布まで囓って・・・
結局延命と引き替えに苦しみを与えてしまって。
痩せこけた父の死に顔を見ながら悲しみよりも怒りが
こみ上げてきたのを覚えています。
生きること死ぬことの意味すらわからない、
考えようとしない現代人の愚かさに・・・