実柘榴の
実柘榴の 裂けて日蝕 進みけり
兆候
2004年のスマトラ沖地震の時だった。
BONGAのお客様だったバレー教室の先生でイギリス人の女性がモルディブのホテルにお兄さんと滞在していた。
いつものように早朝の海岸をジョギングしていた時に何かが違うことに気が付いた。
路上にいつも屯している犬たちの賑やかな鳴き声どころかその姿すら見えなかったそうだ。
彼女も何か気分が重い感じがしてジョギングを早めに切り上げ、宿泊している高台のホテルに帰ったそうだ。
その途中、いつもは海岸の椰子の木に繋がれている大人しい象が鎖を引きちぎって高台に登っているのを見た。
その時だった、今まで彼女がジョギングしていた海岸一帯を例の大津波が襲って来たそうである。
自然界に何らかの異変が起こる時、地球はそれをその周りに知らせてくれる。
そうして生物たちはその信号を感知し自らの生命を守ろうと行動するのだが。
この半世紀の間に起こった様々の自然災害(人災と呼ばれるものも含まれる)を見ていると、自然の警告を人間がわからずに、また傲慢に無視して災害に合ってしまったかのようにも思えるのだ。
そのような危機感知能力が退化してしまったのか、あるいはそのような能力が人間にはもはや不必要なものとして欠落して生まれてきたのか。
どちらにしても我々人間の存続は自然にとって望まれているものではないようだ。