葱坊主
葱坊主 帰れぬ記憶の 果てに咲き
母が記憶をなくしたのは8年前のことでした。
頭痛がするというので近所のお医者様に見ていただいたら、
ただの風邪という診断で。。。
翌日も酷い頭痛が治らずに、
僕の車で日赤病院に連れて行きました。
終日の診断の結果ようやくくも膜下出血が原因だったとのこと。
静脈瘤がまだあるので取り除く手術を進められて。。。
その結果、母は記憶をなくしたのです。
執刀医のO方先生、あなたは母のことを覚えていますか?
手術前に僕にお金の請求をしたことを覚えていますか?
本当の事を教えてください。
母の手術は本当に必要だったのですか?
他に何か理由があったのではないですか・・・
今となっては不思議な事ばかりでした。
僕は今でも恐れています。
手術を受けさせたことで
母の人間としてのプライドを殺したのではないかと・・・