ゆず
BONGAマスターのスパイスうんちく
更新日2013.02.17a:3664 t:2 y:0
ゆず
Yuzu(英名)
ゆず、柚子(和漢名)
Citrus junous Siebold ex Tanaka(学名)
知識
![ゆず ゆず](swfu/d/s_yuzu.png)
ミカン科の常緑樹で原産地は中国の揚子江上流。
主産地は中国のほか日本の高知、徳島、埼玉、
静岡など。
常緑性の小高木で枝には鋭く長い棘がある。
初夏のころ花が咲き、秋には実をつける。
この果実を食用とし、夏から秋にかけて
出荷されるものを「青柚子」(写真下)、
10月以降に出荷されるものを「黄柚子」(写真上)と呼んでいる。
![青柚子 青柚子](swfu/d/s_aoyuzu.png)
柚子の香りは果皮の油胞に含まれる精油によるもので、少量だが花にも精油が少量の精油が含まれる。
香りの成分は主にリモネン、ピネン、テルピネンなどで、酸味にはクエン酸、リンゴ酢が含まれる。
柑橘類の中でも酸味が強く、生食に向かないけれど
薬味や風味づけに使用されるものを香酸かんきつ類と呼びレモンやライム、橙、シークわサー、ジャバラ
などが含まれる。
料理
![ゆべし ゆべし](swfu/d/s_yubesi.png)
柚子は酸味が強いので生での食用には向かないが、
果皮や果汁の芳香を料理に利用する。
「青柚子」は果皮をうどんやそばの薬味にしたり、
果汁を焼き魚や酢のものに振りかけて使う。
「黄柚子」は果皮を吸い物にしたり、柚子味噌、
刻み柚子のほか漬物の風味づけの他、
ゆべし(写真)やマーマレードの菓子類にも
使用される。
果汁は鍋や酢の物に使用される。
花は吸い物などの香りづけとして使われる。
保存はビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室に。
柚子の仲間でハナユまたはトコユは愛知、スダチ(酢橘)は徳島、
キズは佐賀、福岡に、カボス(香母酢)は大分がそれぞれの特産で
柚子と同じような使い方をされる。
薬理
カリウムやビタミンC、クエン酸が豊富に含まれ、風邪の予防や疲労回復、
美肌効果がある。
また果皮には活性酸素の働きを阻止する成分が含まれている。
精油には疲労回復や神経痛に効能があり、
冬至の日の「ゆず湯」はよく知られている。
エピソード
日本には唐時代以前に朝鮮半島から伝えられたといわれ、「続日本書紀」に
柚の文字が記されている。
また「和名抄」や「延喜式」には「柚、和名由、橙に似て酢し」とある。
奈良時代にはすでに栽培され古くから生活に溶け込んでいる果実のひとつ。