ホーステイル
野草・薬草うんちく
更新日2015.7.2a:4197 t:1 y:1
ホーステイル(スギナ)
【英語名】horsetail
【日本名】スギナ(杉菜)
【学名】Equisetum arvense
【生薬名】問荊(もんけい)
【別名】つくし
知識
トクサ科の多年草でつくしが成長したもの。
北海道から九州の山野、湿地に自生。
有史以前から存続している植物で、当時は大木だったと云われている。
有効成分にケイ酸、アルカロイド、サポニンの1種のエキセトニン、ステロイドの1種βシトステロール、タンニン、フラボノイド、シリカ、カリウムなどが含まれている。
ミネラルの宝庫の植物で、ほうれん草と比較すると、リン、カリウムは5倍、カルシウムは155倍、マグネシウムは3倍と云われる。
スパイスとしては農薬などに汚染されていない茎や葉を乾燥させたものを使用する。
全草を採取して水洗いしたものを天日で乾燥させたものを生薬の「問荊(モンケイ)」といいます。
緑茶に似た香りと癖のない味が特徴で、スパイスティーや浴用剤に使用します。
料理
江戸時代にはスギナの若芽を米のとぎ汁で軽く茹で、柚子の輪切りを添えて汁にして食べたと云う記録が残っています
またツクシははかまの部分を取り除いて水洗いし、茎だけを茹でて水に晒し、煮物、酢の物、ごまあえ、つくだに、汁の実として利用します。
パウダーはパンやケーキ、スィーツのほかお粥などに加えても美味しくいただけます。
薬理
ホーステールはヨーロッパでは古くから解熱作用やガンの予防に効能があることが知られており、日本へは江戸時代にポルトガルやオランダより民間療法として伝えられました。
ホーステールに含まれるシリカは体内の傷や傷跡の組織を修復する作用があり、手術や病後の回復、痔、月経過多などに飲用すると効能があります。
カリウムはカルシウムの吸収を促し、爪や髪の毛を丈夫にします。
その他利尿作用があり、膀胱炎や前立腺肥大症の予防に効能があります。
入浴剤として使用すると血行促進の効能の他アトピー性皮膚炎にも効果があるとされます。
●問荊の使い方
腎臓炎、利尿には問荊10gを水500ccで半量になるまで煎じ、1日3回に分けて服用します。この場合あまり長く熱湯で煎じるとケイ素が消え効能がなくなるので気をつけましょう。
肺結核、助膜炎、去痰、膀胱炎などにも効能があります。
子供の使用や長期の使用、心臓、肝臓の機能不全の人は使用を避ける。
自家製化粧水は25度のホワイトリカーに問荊または生のホーステールを適量に浸し3カ月から6カ月寝かせて、ガーゼに浸して洗顔後に使用します。
エピソード
日本名のスギナは草の形が杉に似ているかとから杉菜(すぎな)と名が付いた説の他、節のところで抜いてもすぐ継ぐことができるので継ぐ菜(つぐな)が転訛したという説もある。
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