食用菊
BONGAマスターのスパイスうんちく
更新日2015.4.24a:4991 t:1 y:1
食用菊
【別名】食菊、料理菊、甘菊
知識
花びらを食用とする大輪菊と料理のつま用のつま菊があります。
苦味が少なく奈良時代より栽培され、江戸時代より民間に広がりました。日本の古くからのエディブルフラワーです。
食用菊は延命楽と阿房宮の2種類があり、延命楽はもってのほか、もって菊、かきのもとと呼ばれる明るい赤紫色の八重咲きの中輪種で、阿房宮は黄色の八重咲き小輪種で青森県八戸の特産です。
菊は天皇家の家紋であることからその家紋を食べるなんてもってのほかということで名付けられました。
日本における主な生産地は愛知、山形、福井、青森です。
愛知は小輪種が主で国内生産量の80%を、中型の菊は山形が全国の60%を占めています。
料理
観賞用の菊に比べ苦味が少なく、甘味があります。
生食や菊花茶、菊花酒、漢方料理に使われます。
茹でてお浸しにしたり、酢の物、和え物、天ぷら、吸い物として食されます。
刺身やちらし寿司、つま、醤油に花弁を散らして香りや彩りを楽しむほかに解毒や殺菌効果もあります。
花びらを湯がいて作る菊海苔や干し菊、のし菊などの加工品があります。これらはもどして生と同様に使用します。
薬理
菊は古代中国より延命長寿の花として、茶、酒、薬として飲用されてきました。
菊の解毒効果は生体内の解毒物質グルタチオンの生産を高め、発がんの抑制やコレステロールの軽減、中性脂肪の低下があり、紫菊の花びらにはβカロチンやビタミンC、葉酸をはじめとしたビタミンC群などの抗酸化作用の高い栄養素が含まれ、アンチエイジング効果が期待されます。
頭状花を乾燥させたものは漢方生薬として、眼病治療薬や解熱剤として処方されます。
●菊花明白・・・目薬、目のトラブル
●菊花散・・・目の充血、疲れ目、目の痒み
●杞菊地黄丸・・・かすみ目、視力減退
栽培
キクは多年草のため、古株から自分で苗を作ることもできますが、連作障害防止のため、越冬時と挿し床を新土にする必要があったり、手間もかかることから、苗を購入して植え付ける方が良いでしょう。
植え付け適期は4月中旬~5月です。
市販の苗を購入して植え付けると良いでしょう。
植え付けの2週間前までに、1㎡あたり苦土石灰100~150gをまいて、よく耕しておきます。
植え付け1週間前になったら、1㎡あたり堆肥2kg、
化成肥料100gを施して、幅60cm、高さ10cmの畝を立てます。
株間30cmで植え付けたら、たっぷりと水やりをします。
乾燥防止に敷きわらを敷いても良いでしょう。
植え付けから1ヵ月後、株間に1㎡あたり化成肥料30gを追肥し、株元に軽く土寄せをします。
このとき、同時に摘芯をし、わき芽の発生を促します。
食用ギクは風などで倒れやすいので、植え付けから40~50日ほどたち、草丈が30~40cm程度になったら、ネット張りを行うと良いでしょう。
10~15cm角の目のネットを用意し、四隅に立てた支柱に渡したヒモに固定し、株の先端をネットの目から出します。
生長に合わせてヒモを上へずらしていきます。
本数が少ない場合は、支柱でもよいでしょう。
家庭菜園 簡単野菜栽培で大収穫!参照