ウォームウッド
BONGAマスターのスパイスうんちく
更新日:2013.07.28a:4794 t:1 y:0
ウォームウッド
にがよもぎ(和漢名)
Worm Wood(英名)
Artemisia absinthium L.(学名)
知識
キク科の多年生草本でよもぎの一種。
ヨーロッパが原産地でヨーロッパ、アジアの広い地域で自生している。
よもぎと同様繁殖力が強く、各国で帰化し道端や荒れ地で野生化しているのが見られる。
日本では江戸時代の末期に渡来したといわれる。
ウォームウッドにはツヨン(ツジョン)という有毒成分が含まれているため、現在ではあまり食用には用いられない。
アメリカのFDAでは、ツヨンの検出を禁止している。
11世紀のアラビアの医学者イブン・スィーナー(アウイケンナ)がウォームウッドに食欲増進作用があると推奨したことから、ウォームウッドはスパイスや薬として広く使用されるようになったといわれる。
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料理
葉はよもぎ特有の芳香を芳香があり、苦みが強い。
この芳香は昔からリキュール、ハーブ酒の香り付けとして用いられ、食品添加物として認可されている。
フランスの「緑の魔酒」と呼ばれるアブサンやイタリアの白ワインをつかったベルモットなどが有名である。
ヨーロッパではホップが導入される以前はビール作りに使用されたようだ。
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薬理
以前ヨーロッパでは虫下し、強壮剤として広く利用されてきた。
民間薬としては黄疸、肝臓の機能不全、生理不順、下痢止めとして使われてきた。
抽出液を飲用として使用する場合は液の濃度が濃すぎたり飲みすぎたりするとけいれん、嘔吐、神経麻痺を起こすともあり、習慣性が強いので注意が必要。
抽出液にはセスキテルペンラクトが含まれる。
ウォームウッドの抽出液は殺菌・殺虫効果があり、消毒薬や衣類の殺虫剤として利用されてきた。
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栽培
温暖で乾燥し水はけのよい土壌で日当たりが良い場所を好む。
繁殖力は強いので、特別な管理は必要としないが、植え付け間隔を60センチほどにし、真夏時に寒冷紗をかけるとよい。
開花直前に葉を収穫し乾燥させる。
エピソード
ウォームとは蛇を意味し、楽園から追放されてた蛇が這った跡にこの植物が生えてきたという伝説に由来している。
また新約聖書のヨハネの黙示録(8章10-11)では「第三の御僕がラッパを吹き鳴らすと、苦よもぎという、たいまつのように燃えている大きな星が落ちて、水の三分の一が苦くなり、そのため多くの人が死ぬ」という預言がある。
北欧のバイキングの間では死の象徴とされていた。
近縁種にオウシュウヨモギがあり、ウクライナ語でチョルヌイは「黒い」フイヤは「辛い」という意味で「チェルノブイリ」と呼ばれている。
原発事故で有名なチェルノブイリ周辺で広く自生していたのでその地名になっている。
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