ジュニパーベリー
更新日2015.5.16a:9541 t:2 y:3
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ジュニパーベリー
【英名】JUNIPER BERRY
【和名】杜松実(としょうじつ)、ねずみさし、ねず、セイヨウビャクシン
【中国名】檜
【学名】Juniperus communis L.
【別名】レッドシダー、ジュニパー・サビナ、コモン・ジュニパー
知識
ヒノキ科の3mほどの常緑針葉樹の堤灌木の球果をジュニパーベリーとよびます。北半球一帯で広く分布しています。
原産地はギリシャでイタリア、フランス、ドイツ、ハンガリーのヨーロッパ諸国の他、北アメリカなどが主な産地です。
日本でも関東以南で栽培されており、和漢薬やスパイスとして使われています。和名の「ねずみさし」という名は、針状の葉がネズミの侵入を防ぐというところからついたようです。
緑色の雌果をつけ、3年かけて熟成し黒色の果実になります。秋に熟した実を摘み取り、揮発性の精油が飛ばないように35℃以下の温度で乾燥させます。
実や根は茶色の染料としても利用されます。
精油は殺虫剤や香水にも調合されます。
ジュニパーベリーの種類は多く、コモン・ジュニパーは医薬や料理にに利用されますが、これ以外のジュニパー・サビナはポトフィロトキシンという毒素が強い精油を含んでいるため注意が必要です。
料理
果実は、苦みがあり、松やにに似た香気があります。ガーリックやオールスパイス、マジョラム、ローズマリーなどの芳香のあるスパイスやハーブとブレンドして使うと良く合います。
ジンやワイン、ビール、ブランデー、ベネディクティンなどのリキュールの風味付けが最も良く知られた使用法です。
フィンランドのビール「サハティ(SCHTI)」はジュニパーベリーで香りを付けたものです。
乾燥させたジュニパーベリーの実は昔から獣肉の臭み取り用として、パテや鹿などの猟獣の肉、ソーセージ、鍋料理などの風味付けに使用されます。
その他ザワークラウトやじゃがいも料理、マリネ液に使われます。またキャベツとも相性が良いスパイスです。
生の果実はコールドミートに添えられるコンサーヴ(果実の砂糖漬け)に使われます。
生または乾燥した葉は焼き魚に、木片と葉はバーベキューに使用すると肉に風味をつけます。
ジュニパーベリー・コンサーヴの作り方
①鍋に生のジュニパーベリーを入れ、水がひたひたに被るまで入れて、実が柔らかくなるまで煮ます。
②①のベリーを潰して、ベリーの量の3倍の重さの砂糖を加えます。
③良くかき混ぜ、冷まして固め出来上がりです。
薬理
尿道炎や、痛風、リューマチの治療に使われます。また子宮を刺激し、消化器系の炎症を抑えるといわれています。
その他蛇にかまれた時の薬としても使用されます。
✖妊娠中や腎臓に疾患がある人のジュニパーベリーの摂取は避けましょう。
栽培
一般的には挿し木で行う方法がとられている。
エピソード
ジュニパーベリーは昔は悪魔や悪霊を防ぐ魔よけのスパイスと考えられてきました。
病人の部屋で果実や木を燃やし、空気を燻蒸して消毒し、悪魔を追い払ったといわれました。