キムチ
アンチエイジングな食材
更新日2014.01.13a:3326 t:1 y:1
キムチ
キムチは朝鮮の漬物で沈菜(チムチエ)が語源で、食品栄養の価値は、時間をかけてじっくり発酵熟成させるところにある。
現在スーパーなどで出回っているもののほとんどは浅漬けのインスタントキムチ味食品で、本来のキムチとは別のものだ。
知識
歴史
中国の「魏志」では高句麗の人は醤油、塩辛、漬物のような発酵性食品をすでにその頃作っていたということが記されている。
この頃のキムチはだいこんやかぶらなどを塩だけで漬けた単純な野菜の貯蔵品で現在のキムチの原型であった。
その後唐辛子入りのキムチが作られるようになったのは、16世紀後半から17世紀初頭に日本から唐辛子が伝えられてから約1世紀後の話だ。
日本から渡来したので倭芥子(ウエゲジャ・ニホンカラシ)と呼ばれた。
朝鮮料理のキムチが現在のように辛くなったのは、300年ほど前のことだった。
作り方
キムチは微生物による発酵で創られる。
キムチに関わる微生物の種類は多いが、最も大きな影響を与えるのは乳酸菌だ。
だが時間が経過すると、乳酸菌の次に酢酸菌が出てきて、キムチの味が酸っぱくなる。
さらにその後カビ類や腐敗菌が出てきてキムチは腐敗する。
このようにキムチの発酵は微生物によるので、当然、微生物の生育に大きな影響を持っている温度と塩分の濃度が関わってくる。
乳酸菌の生育を優先させ、腐敗菌を抑制する温度は15~17℃とされる。
また乳酸菌は塩濃度が低いほど多くなり、キムチの味は良くなる。
おいしいキムチ作りは、塩分を少なくし、できるだけ低温の条件で発酵、熟成させるのが良い。
アンチエイジングな効能
キムチが発酵することにより活性乳酸菌ができる。この乳酸菌は腸内で整腸作用を行う。
また野菜に含まれる繊維質は腸のぜん動作用により、デンプン質やタンパク質の消化を助ける。
キムチに加えられるスパイス(チリペッパー、ガーリックなど)は胃腸粘膜を刺激して消化液の分泌を促す。さらにキムチ汁の有機酸類は、過剰な胃液の分泌を役割を果たしている。
新鮮な野菜が発酵するとビタミン類が生産されるが、その時に野菜にはなかった別のビタミン類が生産される。
ビタミン1、ビタミン2、ビタミン12、ニコチン酸アミドなどが知られている。
特に塩辛などの海産物が添加されたキムチにはビタミン12が生産される。このビタミン12は、ごく微量で貧血などを防止する効果がある貴重なビタミンである。
キムチの作り方や素材によって、ビタミンの種類や生産量は異なるが、発酵時間が長く、水分の多いものほどビタミンが多く作られる。