ヤロウ
BONGAマスターのスパイスうんちく
更新日2014.10.24a:4915 t:1 y:0
ヤロウ、 セイヨウノコギリソウ
【英名】ヤロウ(Yarrow)
【和名】セイヨウノコギリソウ(西洋のこぎり草)
【別名】ミルフォイル(Milfoil)、サウザンド・ウィード(Thousand weed)
【学名】Achillea millefolium
知識
キク科ノコギリソウ属の多年草でヨーロッパ原産。ローマン・カモミュールの近種で、イギリスをはじめヨーロッパの各地に自生しています。
繁殖力が強く、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアでは帰化しており、日本でも明治時代に渡来し、本州や北海道の一部では野生化したものが見られます。
生命力が強く、堆肥の生ごみに葉を入れるだけで急速にゴミを分解したり、庭に植えると根から出る液は周りの植物の活力を増進させるコンパニオンプランツの役目もあります。
高さ60㎝ほどで、夏に灰色がかった白、薄ピンク、赤、黄色の細かい花が固まって咲きます。葉はノコギリのような形をしているのでこの名前が付きました。
料理
葉は刻んでサラダに加えたり、ほうれん草のように茹でたり、煮たり油炒めにして食されます。
若葉は軽やかな風味があり、成長した葉は辛味が増しペッパーのような風味があります。
スウェーデンではビールを醸造する時ホップの代わりに使われていました。
薬理
怪我をしたときの薬草としてよく知られており、収れん作用と止血作用、消毒作用があるので、葉を傷口にあてがったり、花や葉を粉末にして軟膏にしたものを用いたりする他、湿疹や吹出物に効能があります。その他痔や生理不順、冷え性にも効能があります。
生の葉を噛むと歯痛を鎮めたりリュウマチの治療にも利用されます。
乾燥した葉や花をハーブティとして飲めば、強壮作用、食欲増進、発汗、解熱の作用があります。ハチミツを加えると飲みやすいでしょう。
またヘアーリンスやシャンプーに使用すると髪質を良くすると云われます。
過剰摂取に注意しましょう。頭痛や吐き気を引き起こすことがあります。妊娠中や授乳中、菊アレルギーの方は摂取を控えましょう。
地上部の全草を乾燥させたものは「西洋シソウ」という生薬名で呼ばれ、避妊薬、防腐剤、虫除けに使用されます。
エピソード
「兵士の傷薬」という古い呼び名があり、古代ギリシャの英雄アキレスがトロイ戦争のとき、負傷した兵士たちをヤロウで治療したという伝説からヤロウの属名で「アレキア」と呼ばれていた。
イギリスではサクソン人が5世紀頃から薬草として、薬草園や家庭で栽培していた。
古くはイギリスやアイルランドで天候占いや恋占い、悪魔除けなどに使われ、19世紀には煙草の代用としても使われていた。